第76回 〜幸ちゃん教えて (ダイジェスト版) その1〜

第76回 〜幸ちゃん教えて (ダイジェスト版) その1〜






☆*。:*☆":。。*先生の学生時代☆*。:*☆":。。*☆*。:*☆":。。*☆*。:*☆":。。*☆*。:*☆":。。*☆*。:*☆":。




Q、質問する私たちは大学生なのですが、先生は(東大生として)どのような大学生でしたか?

A、貧乏学生でしたね。中学3年生のとき親父が倒れてしまったため、奨学金をもらったり、兄たちに支援してもらったりして大学に通っていました。結構まじめな貧乏学生でした。      




                                                       




Q、スポーツはやっていたのですか?

A、特にやっていなかったが、遊びでサッカーなどはやっていました。

                                                                                                                                                      

                                                        




Q、クラブ活動は何をされていたのですか?

A、ESS(英語)に入っていました。高校時代に小田実の「何でも見てやろう」という本を読み、アメリカに留学したいと思い、英語を身につけようと入りました。ESSでは、英語で会話したり、英語劇をやったりしました。部長にもなったのですが、ほかに英語が堪能な人がたくさんいたので、それには劣等感を感じながら負けないように一生懸命頑張りました。








Q、大学時代の一番の出来事は?

A、大学紛争ですね。紛争が終わった後に、普段出席していない生徒たちもみんな授業に参加するのを見ると、みんな勉強したいんだな、と思いました。








Q、東大理科一類に入った理由は何ですか?

A、高校時代に朝永振一郎湯川秀樹ノーベル賞を獲得し、自分も物理学を勉強し、ノーベル賞を取ろうという遠大な夢を持って入った。しかし、数学でものすごく頭のいいやつがたくさんいたためあっこれはダメだな、と思い、高校時代に文科系の勉強が似合っているかなと感じていたこともあったため、役人もいいのかなと思いだし、経済学部へ転科しました。




                                                        




Q、その頃ハメをはずしたと思うことは?

A、ハメを外したってことはあんまりないけども、4年生になり公務員試験を通ったあとは多少あるかな。遊ぶ金もなかったので結構まじめに生活していました。ただ、唯一趣味としてダンスをやって、ダンスパーティで初めて女の子の手を握ったよ。ドキドキしたよ。笑








Q、学生のころから人のために役に立ちたいと考えていたのですか?

A、お袋が小さいころから「世のため、人のために」と言っていたので、なんとなくそれがこびりついていた。あと、ESSの先輩に役人が多く、そういった理由から企業はあまり考えていなかった。








☆*。:*☆":。。*サブプライムローン☆*。:*☆":。。*☆*。:*☆":。。*☆*。:*☆":。。*☆*。:*☆":。。*☆*。:*☆":。








Q、それでは、引き続いて最近問題になっているサブプライムローン問題について、先生に分かりやすく説明していただけないかと思うのですが?

A、分かりやすく、というのが難しいんだけどな(笑)。

サブプライムローンとは要するに住宅ローンのことなんですが、住宅ローンの中で、ちゃんと返せるかどうか危ないなという人への住宅ローンのことを言います。サブというのは低レベルの、という意味で、信用度が低い人への住宅ローンということ。本来は銀行経営上、融資をやるときはちゃんと返してもらえるかどうかが重要なため信用度の低い人への融資はやるべきではないが、バブルのためについつい融資の姿勢が甘くなり、ほとんど審査せず、貸し出しに歯止めが利かなくなってしまった。いわば、融資倫理の欠如の表れたところなんです。日本のバブルと同じですよ。僕は、この融資倫理の欠如を知っていたのでこの事態を2年前から予測していましたよ。ガルブレイスという経済学者が「景気はいくら調子が良くともいつかは破裂する。」と言っているように、経済というのは調子に乗りすぎてはいけない。何をするにしても最低限の倫理観を失ってはいけない。それを失ったアメリカは自業自得だともいえるね。








Q、この問題は日本にも波及していますが・・・?

A、日本はバブル崩壊のためそんなにのめりこむ力がなく被害が少なかった。

証券化という新しい金融資本が生まれ、まとめて証券にしてそれが売られているため、どこにサブプライムローンのリスクがあるかわからない状態になっている。金融とは信用の世界であるため、その状態が他の証券化商品にも影響し、信用がなくなって全部駄目になってしまう。それが今の状態なんだな。金融商品証券化商品はどれも当てにならないからみんな買わない。買ってくれないためそれを握っているところがババを握っているようなもので、動きが取れない。動きが取れないと新しい収益が生まれてこない。収益が生まれてこないと景気が悪化し、いよいよ不良債権化するものが増えてくる。こういった悪循環が生じているのです。これを断ち切るためには、銀行や証券会社の言っていることを信じれる状況にする必要がある。そのために、銀行などが資本を開示するようにする必要があるのだが、今の状況ではできない。だから政府が公的資金を注入する必要があると思う。しかし、アメリカでは政府はあくまでこの問題を銀行の責任とし、公的資金を注入することに踏み出していない。






なごやかな空気の中、先生は懐かしい思い出話を楽しそうに話してくださいました。